最初で最後の君との約束
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私はほんの少し納得のいかない髪型をそのままに、勢い良く家を飛び出した。
家の前の広い通りを、全力疾走で駆け抜ける。
スカートは翻るし、近所の人が私を振り返るけれど、そんな事気にしていられない。
ミュールがすごく走りにくい。
こんな時、私はさっきまでのお洒落に心をときめかせていた自分をすっかり棚の上に上げて、女である事を疎ましく思ってしまう。
裸足で駆けたら、もっと早く辿り着けるのに、って。
そんな事を頭の片隅で考えながら、私は珪くんとの待ち合わせ場所へ急ぐ。
時間ぎりぎりで滑り込めるかどうか怪しいラインだ。
私はアスファルトを蹴り上げる脚に、更に力を込める。
ほんの少しだって構わない。
ちょっとでも前に進めるように。
運動神経、よくて良かった。
お母さん譲りの脚力に感謝する。
運動音痴だったら、今日の私、確実に遅刻だよ。
風を切って走り続けると、前方に新はばたき駅が見えてきた。
