右手に太刀を左手に君の手を
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何故、女に生まれたのだろう──
でも、女でなければ、私は政宗と愛し合えなかった。
何故、私は此処にいるのだろう──
でも、此処にいなければ、私は政宗に出逢えなかった。
全てはきっと必然だった。
それなら、何故。
私は政宗のものになれないのだろう。
本当に愛する人のものになれないのだろう──
私は唇を噛み締める。
苦い鉄の味が、口の中いっぱいに広がる。
その様子を見つめた政宗が慌てて、私の唇に触れる。
「馬鹿め!一体何をしておる!」
窘められて、私は代わりに拳を握り締める。
指先が血の気を失って、白くなる程に、きつく、きつく。
私は女の身でありながら、戦場を駆け抜ける。
刀を手にし、血に染まる。
主君たる政宗を、愛する人を守る為。
小十郎や、成実が頼りない訳ではない。
本当に彼らは強いし、心から信頼している。
でも、本当に大切なものなら、自分の手で守りたいじゃない。
ずっと側にいて。
辛さも、悲しみも、苦しみも、そして喜びも。
色んなものを分かち合いたいじゃない。
そう思う事が、間違いだなんて絶対に思わない。
女だから、なんて関係ないんだ。