右手に太刀を左手に君の手を
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「二人の時にその口調は止めろ、馬鹿め」
私の口から紡がれた真実に、政宗殿は──政宗はがっくりと肩を項垂れた。
私は常日頃、決して嘘をつかない。
それ故に、政宗は私の言葉を信じる他ないのだ。
「……本当だったのだな。あの真田の元へ嫁ぐというのは……」
そうだ。
私は一月の後、真田幸村の妻となる。
政略結婚で。
家の為に。
私はこの為に生まれてきたんだ。
「よりにもよって真田とはな……お前の父は何を考えているのか……」
呆れた様子の政宗に、私も苦笑いを浮かべる。
我が父ながら、本当に読めない男だと思う。
「いつかこうなる日が来ると思ってた。少し、遅かったくらいよ?」
「わしにもっと力があれば、お前をあの男の所へなど行かせんというのに…!」
「……その気持ちだけで、本当に十分よ。政宗と共に過ごした日々、私は本当に幸せだった」
その言葉にも偽りはない。
胸を張って、そう言える。
「千里……どうにもならん、のか?」
掠れ、震えた声で政宗は言った。
しかし、私は静かに首を横に振る。
父上の言葉は絶対だ。
私は逆らうことは、出来ない。