右手に太刀を左手に君の手を
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それが運命ならば
貴方が苦しまずに済むならば
この身など
喜んで差し出そう
でも、貴方への想いは
思い出は絶対に誰にも譲らない──
《心は、此処に》
「千里っ!」
そろそろ来る頃だとは思っていた。
彼の耳に届くのも、時間の問題だと思っていた。
それにしても、予想通りの慌てようだ。
ここまで取り乱すと、いっそ清々しい。
私は口元に苦笑いを貼り付けながら、私の名を呼ぶ声の主を、私は自室へと招き入れた。
「政宗殿……お待ちしておりました。どうぞ、中へ」
息を切らした政宗殿は、カッと目を見開き、私の部屋へとずかずかと侵入した。
本当に殿気質な方だと思う。
「千里、あの話はまことか!?」
単刀直入。
開口一番。
本当に躊躇いのない様に、私は笑った。
きっとこんな彼だから、私は心惹かれたのだろう。
「どのようにお伺いしたのかは存じ上げませんが、政宗殿の知るお話は、まことにございます……」
私は真っ直ぐに政宗殿を見つめ、はっきりと口にした。