淡く鈍いその煌めきは
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そこまでされてしまってはさすがの銀時もそこから先に進むことは出来なかった。
何より進む必要もないと考えていた。
時が来れば、ほたるの方から真実を話してくれると信じていたから。
「……ちゃん?銀ちゃん?」
ほたるに名前を呼ばれて、銀時は気怠そうに顔の上に乗せていたジャンプをどける。
どけたジャンプは腕を伸ばしてテーブルの上に置く。
いつもの行動であるから、目を閉じたままでもそれはいとも簡単に出来た。
「……んー?ほたる、どうした?」
銀時が寝ぼけ眼を擦りながらゆっくりと瞼を持ち上げると、ほたるは今にも吐息がかかりそうな程の至近距離で銀時を覗き込んでいた。
ほたるは晴れ渡った空のように澄んだ碧い色をした大きな瞳をぱちぱちと瞬たかせている。
それは攘夷時代から変わらない、ほたるが銀時にお願いがある時の仕草だった。
ほたるがこんなにも甘えたような表情を見せるのを見るのはかなり久し振りだった。
元々誰かの助けを得て何かをするようなタイプの人間ではない。
ほたるはどちらかと言われれば、どんなに難しく困難なことであったとしても誰にも相談もせずに一人で何とかしようと奮戦するタイプだったからだ。
だからこそ、銀時はいつもほたるが何かを頼んでくる時にはその願いをどんなことをしても叶えてやりたいと思ってしまうのだ。
銀時はほたるが言葉を紡ぐ前にほたるの柔らかい金の髪をさわさわと撫でた。
“どんなことでも言ってみなさい”の意味を込めて。
「雪、降ってるの」
「そりゃァ良かったな」
「一緒に外行こうよ」
なんて些細な望みなのだろう、と思わずにはいられない。
そんな必死になって頼み込まなくても、ほたるの願いなら叶えてあげるのに。