淡く鈍いその煌めきは
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悲しいのなら慰めてあげる
嬉しいのなら共に笑ってあげる
いつだって側にいるから
だから
そんな醒めたような瞳で
遠くを見ないで──
《儚い雪のように》
この歌舞伎町の片隅で。
漸く見つけた美しい花は。
昔よりも遙かに色香を増し、美しくなっていたけれど。
“あの時”ほどの輝きを放ってはいなかった──
お前に再会してからどれほどの月日が流れたのだろうか。
長いようで、実際にはまだそれほど大した時間は流れていなくて。
ただそれでもほたるの笑顔を取り戻すために、気の遠くなるような長い時間を必要としたような気がする。
そう感じるのはきっと自分が“本当の”ほたるの笑顔を知っているからだ。
歌舞伎町で再会してから、ほたるも全く笑わなかった訳ではない。
新八が何かを頼めば微笑んで引き受けるし、神楽の笑えないような冗談でもにこやかに笑っていた。
あくまでも表面上、に過ぎなかったが。
それでもほたるは笑顔を取り繕い、その場の空気を壊すようなことは決してしなかった。
だが銀時だけは納得がいかなかった。
桂、高杉、坂本らと共に生き、談笑していた頃の名残が微塵も感じられなかったからだ。
それは歌舞伎町で桂と再び見えても同様だった。
桂自身もそれにすぐに気付いていたようだったが、ほたるを前にしてその心に秘めた思いを口にするようなことはなかった。
皆と別れ、銀時と再会するまでの月日の間にほたるに何があったのかは銀時も知らない。
幾度となくほたるに聞いてみようと試みたが、どうしても実行に移すことが出来なかった。
それはほたるが、暗に“踏み込むな”と拒絶の姿勢を示していたからだ。