どこかのだれかの未来のために
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いすみはいつだってそうだった。
僕の知らない所で悩んで。
泣いて。
そして一人で決めてしまう。
その信念を曲げる事は決してない。
何が、あっても。
今回もきっとそうなのだろう。
僕が何を言っていすみを引き止めようとしても、いすみは曖昧に微笑むだけなんだ。
あの笑みに、僕が逆らえないと分かっていながら。
「そっか……」
それならば、僕にできることは限られている。
いすみの選択を受け入れ、何があっても彼女を守り抜く──
それが、今の僕に許された唯一のこと。
しかしいすみはそんな僕の言葉が意外だったようで、目を丸くさせて僕を見る。
綺麗な澄んだ瞳に、僕の姿だけが鮮やかに映し出されている。
「……てっきり、止められるものだと思ってた」
「それは僕だって止めたいけど……でも、いすみは譲る気はないんだろう?」
「うん、そうだね」
「それならやっぱり、僕が折れるしかないよ。いすみは一回言い出したら聞かないから」
誉めたつもりはなかったんだけど、いすみは嬉しそうに笑う。
その笑顔は、相変わらずとても眩しい。