どこかのだれかの未来のために
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大好きだった
はにかんだ愛らしい笑顔が
歌を奏でる、水のように澄んだ声が
士魂号に触れる細い指先が
僕を求める、君の全てが
本当に大好き“だった”
仲間の唇から過去形で語られる
それが、僕は堪らなく嫌だった──
《君がいなくなる》
激化していく幻獣と人類の攻防戦。
多くの子供達が戦場に駆り出されたが、当然のように戦況は良くならなかった。
学生達は捨て駒。
ただの時間稼ぎに過ぎなかった。
そんな中で。
壬生屋が死んだ──
いつのことだっただろうか。
最近のことのはずなのに、ひどく昔の出来事のように感じる。
彼女には悪いけれど、僕にとって彼女はその程度の存在でしかなかった。
当然彼女が戦死した時は、僕だって悲しんだ。
いすみを始め、みんな悲しんだ。
小隊の中で、彼女の死に嘆かない者などいなかった。