どこかのだれかの未来のために
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どうしてこの世界に生まれたの
どうしてこの世界で出逢ったの
それは、偶然?
それとも、必然?
ううん、どちらでも構わない
あなたがここにいる、
それだけで十分よ──
《その僅かな煌めきも》
「……いすみ、何をしている?」
屋上で大の字になって寝転んでいたら、上から声が降ってきた。
優しい、穏やかな声。
私の大好きな、声。
先程まで太陽の光で赤く染められていた瞼の裏が、一瞬にして漆黒に染まる。
それは私に影が落ちた証拠。
声の主が私を見下ろしているのが容易に想像出できた。
私はゆっくりと瞼を持ち上げる。
「……銀河」
私はそっと彼の名を紡ぐ。
全てを偽り生きる彼の、今の名前。
来須銀河───
彼には秘密にしているけれど、実は私はまだ、彼のこの名前を呼び慣れない。
一瞬頭の中で躊躇って。
それから漸く唇から紡ぎ出すのだ。