どこかのだれかの未来のために
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何度も何度も繰り返す「無限のループ」
もう何度、繰り返してきたのだろうか──
幾度目かの三月十一日に、見慣れたその光景の中に速水厚志は呆然と立ち尽くしていた。
《無限のループを裂く可能性》
たくさんの大切な人の死を見届けてきた。
何度違う道を辿っても、守れない人。
腕の中で熱を失っていく身体。
固く閉じられて、二度と開かれる事のない瞳。
結ばれた唇はもう自分の名を呼ぶことはない。
“舞”
速水厚志を変えた芝村一族の末姫。
いつだって果敢に幻獣に戦いを挑み、その命をいつも散らせてしまう人。
どんな時も諦めずひたむきで、自分の信念を決して曲げたりしない。
厚志は何人もの彼女に出会い、その度に彼女に惹かれてきた。
何度彼女を喪ったとしても。
何度彼女との別れに絶望したとしても。
厚志は決して前へ進むことを諦めなかった。
あの人を救いたい。
大切な人を守りたい。
それだけがこの世界でただ独りループを続ける厚志の願いだった。
その為なら何だってするつもりだった。
舞の存在がなければ、「今の」“速水厚志”はここにはいない。
舞が側にいることこそが、厚志のただ一つの存在理由なのだ。
厚志は一歩を踏み出した。
前回のループの記憶をそのままに。
舞を救い、永遠に続くループに終止符を打つ為に──