淡く鈍いその煌めきは
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「しっかし二枚かぁ…どうすっかなぁ」
銀ちゃんはぼりぼりと頭をかきむしる。
面倒事に遭遇したときによくする癖だ。
…私が特賞を当てたこと、快く思っていないのだろうか。
さっきも驚いて動揺していただけで、嬉しくはなかったのだろうか。
それもそうかも知れない。
特賞でもらえたチケットは二枚。
一方で万事屋のメンバーは四人。
二人分のチケットを現地で購入すればいい話だが、万事屋にそこまでの金銭的余裕はない。
だからこそ今日だって、銀ちゃんと二人でスーパーの激安セールのはしごをしたのだから。
万事屋のなかで問題になるくらいなら、こんなチケット、ない方がいいのかも知れない。
「…売りに行こうか、このチケット」
ぽつり、と呟けば銀さんが勢い良くこちらを振り返った。
あまりに勢いがよすぎて私は驚いて、思わず肩を強張らせてしまった。
「は?何言ってんの?遊園地行きたくないの?」
「行きたい…けど、チケット二枚しかないし…」
「だから考えんだよ。神楽と新八にバレないように遊園地に行く方法をよ」
「二人で?」
「二人でに決まってんだろぉ」
「…うん!そうだね!」
初めから私と二人で行くことを考えていてくれたことが嬉しくて、自然と頬が綻ぶ。
そんな私を見て、銀ちゃんもほっとしたように笑う。
チケットを売りに行こうとしているのが、もしかしたら本心かも知れないと思ったのかな。
そんなこと、あるわけないのに。
《二人には内緒》
正直に話したら許してくれないかな?
そういう私の言葉をあなたは一刀両断する
うん、それもそうかも知れない
だっていつだって
矢面に立つのはあなたばかりだから
《終》