蒼穹への祈り
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「!」
私から弁当を受け取ろうとしたアルトは視線を落としてようやく気づいたようだった。
私の手の有様に。
アルトはまた大きく目を見開いて、お弁当ごと私の手を掴んだ。
「っ…!」
何か言おうとして、私の顔を見てアルトはぴたり、と止まった。
薄い唇は言葉を紡がない。
そんなアルトを不審に思って見上げれば、呆れたような表情をしている。
あ、ばれてる。
あまりにも早くないだろうか。
真実に気づくのに。
「お前な…」
「……」
「大層に絆創膏貼りまくってるけど、全然怪我なんてしてないだろ」
「……」
「ユニ」
「ごめん」
「なんだってこんなこと…」
「大切な人のために怪我しながらでも一生懸命にお弁当を作る女の子は可愛くない?」
今更何を隠しても仕方がない。
私はアルトに正直に話す。
するとますますアルトは呆れた表情をして、長くため息をこぼした。
「誰だ、お前にそんなことを教えたやつは。ミシェルか?」
「違う」
「じゃあ──」
「雑誌で見た」
ランカが貸してくれた雑誌にそんな内容のマンガが載っていた。
さして興味はなかったけれど、ランカが目を輝かせて見ていたものだから、少し気になったのだ。
本当に男の人はそれで可愛いと思ってくれるのかどうかを。