蒼穹への祈り
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大切な人のために
心を込めて作る
そんな当たり前のこと
やってどうするんだって思ってた
でもどうせなら
少しくらい心配させてもいい?
《絆創膏だらけの手》
「アルト」
後ろから呼びかければ、アルトはこちらを振り返る。
艶やかな長い髪が翻って、すぐに端正な顔がお目見えする。
青い瞳が驚いたように見開かれて、声を掛けたのが私だとわかるとその眼差しが穏やかなものに変わる。
私はこのほんの一瞬が好きだ。
アルトが私は気を許してくれていることを感じられるこの瞬間が。
「ユニか、どうした?」
「アルトに渡しいものがあって」
「渡したいもの?」
私は頷いてから、後ろ手に隠していたものをアルトに差し出した。
「これは…」
「お弁当、作ってみた。一緒に、食べようと思って」
アルトが料理が上手なのは知ってる。
それでも少し憧れたのだ。
想い人と一緒に校舎の屋上で手作り弁当を食べる、というありきたりなシチュエーションに。
ミシェルあたりは笑うかもしれない。
それでもしなかったことを後悔するのは嫌だから。
普通の学生生活を送って、就職して、結婚して。
そんな人生なら良かった。
だけど、私の決めた道はいつ命を落とすかわからないから。
だから今やれることはやっておきたい。