選ばれし子供達
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何故、私はこんなにも彼といることに安らぎを覚えるのだろう。
彼に見つめられると、嘘をつけなくなる。
自分のありのままをさらけ出してしまうんだ。
「嫌い…なのかな。なんだろう…どうでもいい、っていうのが一番正しいような気がする」
「その答え、なんともミチらしいね」
「それ、誉めてないよね」
間髪入れずに答えれば、カヲルは笑う。
さっきまでの冷たい表情を一瞬にして掻き消して。
「そんなミチだから、幸せにしてあげたいと願ってやまないんだ」
「…それ、告白?」
もしも私とカヲルが付き合っていたなら、それは紛れもなく愛の言葉で、プロポーズだろう。
それを素直に受け取ることが出来ないのは、私達の関係が微妙なものだからだと思う。
私の言葉に、カヲルは一瞬表情を曇らせてから、笑い損ねたような崩れた笑みを見せた。
珍しいな、と思った。
カヲルが私に分かるほどに、感情を乱すなんて。
「そうなれば、いいんだけど」
「そうすればいいのに」
そう言った私に、カヲルは何も言わずに笑うだけだった。
今にも消えてしまいそうな儚い笑みに、ちくりと胸が痛んだ。
だけど、私がカヲルの言葉の真意を知ることになるのは、もう少し先の話。
知らなかったの
気付かなかったの
耳を塞いでしまえば、
君の声さえ
聞こえなくなってしまうこと──
《終》