選ばれし子供達
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「ねぇ、ミチもシンジくんもいつも音楽を聴いているよね」
カヲルは私に寄りかかり、真っ直ぐに空を見つめながら言う。
そういえばシンジもイヤホンで耳を塞いでいたっけ。
何を聴いているのかも知らないし、私のように意図的にしているのかも知らない。
基本的に干渉しないのが私のスタンスだから、他のパイロット達のことはよく知らない。
唯一の例外なのがカヲルだ。
カヲルは私に関わろうとしてくるから、だから多少のことは知っている、つもりだ。
とは言っても、それでさえカヲルのほんの一面に過ぎないのだろうけど。
「ミチ、僕が隣に座っても、全然気付かなかったもんね」
「……」
「そんなに、この世界が嫌いかい?」
さっきまでの穏やかな瞳から一変して、紅い瞳が鋭利な刃物のような鋭さを見せる。
きっとそれが彼の本質。
私の本能がそれを敏感に感じ取っていた。
私とカヲルは無言のままで互いを見つめ合う。
訪れた沈黙と静寂は、深い水底のようで。
怖いはずなのに、不思議と心地よさを感じている自分がいた。