選ばれし子供達
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「ねぇ、カヲル、聞こえてる?」
何も答えない僕に、ミチは確かめるように問い掛ける。
いつも僕はミチの話を一度は聞こえていないふりをする。
だってそうすれば、ミチは僕の名前を呼んでくれるから。
彼女が名前を呼べば、まだ自分が此処に形を保って生きているのだと確信を持てるから。
ミチが紡ぐ言葉だけが、僕の歩く道を仄かに照らしてくれる。
「聞こえてるよ」
「聞こえてるなら、応えて。じゃないと不安になる」
自分が人形相手に話し掛けているんじゃないかって──
ミチはこんな僕をいつも“綺麗”だと言う。
外見のような表面的な美しさ。
そして同時に内面から滲み出す美しさ。
それはきっと僕が、世界から一線を引いた場所に立っているから。
世界に、運命に。
自分の生にさえも。
何に対しても興味を持てないから。
僕の心を支配するのは、他でもない“ミチ”だけなんだ。
今の僕にはミチしかいない。
ミチだけでいい。
ミチしかいらない。
