あなたの奏でる音色
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
君はいつも俺には何も話してくれない。
それが君の優しさで。
俺に心配をかけまいとしてくれてるんだって分かってる。
でも俺はどんな些細なことであったとしてもいいから、君の全てを知りたいんだ。
だって君が好き、だから。
《小さな希望》
今日、月森くんから信じられないことを聞いた。
月森くんも、その真実を俺が知らないことに本当に驚いているみたいだった。
でも俺は本当に知らなかったんだ。
茉麻ちゃんはそんな素振りを全く見せなかったから。
俺が鈍感なせいもあると思う。
でも茉麻ちゃんは、そんな重要なことを俺に隠していることを微塵も感じさせなかった。
気付かなかった俺が悪いのか。
隠し通そうとしていた茉麻ちゃんが悪いのか。
今は、そんなことを考えている場合じゃない。
早く君に逢いたい。
君に逢って、君の口から聞きたい。
そうでないと信じられない。
──日暮さんは……ほとんど右耳が聞こえていないんですよ
そう苦虫を噛み潰したような表情で俺に教えてくれた月森くん。
何故月森くんは茉麻ちゃんの秘密を知っていたんだろう。
俺にも話していないことを茉麻ちゃんが自分から他の人に話したとは思えない。
そうなると答えは、一つ。
月森くんが、茉麻ちゃんが発していた小さなシグナルに気付いた、ということ。
それが悔しくて仕方がなかった。
自分が一番茉麻ちゃんのことを知っているんだと、高を括っていたから。