選ばれし子供達
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私は間抜けにも鸚鵡返しに返す。
きょとんとした表情を見せる私に、カヲルは漸く私を見つめてにこりと笑う。
涙の痕も乾かぬままに。
「僕にはミチが泣きたがっているように見えたんだけど。違った?」
カヲルの言葉に私は愕然とした。
本当にどうしてこの男は、私自身が気付いていない真実をいとも簡単に手にするのだろう。
欲しくて欲しくてたまらなかったものをいとも容易く手繰り寄せて。
私がしたくても出来なかった事を、まるで何でもない事のようにあっさりとやってのける。
「違わない」
「そう。それなら、良かった」
「うん、本当に良かった」
「?」
「君のお陰で、少し気分が楽になった」
私は意識をして笑顔を作る。
意識しないと笑えないなんて情けないけれど、私は戦う内にそんな事さえ出来なくなりそうになっているのだ。
終わりの見えないこの戦いの結末は、一体何処に在るのだろう。
誰か知っているのだと言うなら、是非教えて欲しい。
知ったからといって、子供の私ごときに何が出来るのかなんてせいぜい限られているのだろうけど。
「行こ」
私はそっとカヲルに手を差し出した。
冷たいカヲルの掌に私の熱が奪われていく。
でも、そんな事、少しも気にしたりしないの。
今カヲルに移る私の熱以上のものを、私はカヲルからもらったから。
「何処へ?」
「ネルフ。訓練、しなきゃ。皆を、君を守る為にも」
「ミチは、本当に優しいんだね」
最後にカヲルが囁いた言葉は、私の耳には届かなかった。
優しいのは君の方
私の優しさは
優しさの内に入りはしない
だって私は
私の我が儘でみんなを守りたいんだから
《終》
