選ばれし子供達
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私はただ、みんなを守るの。
アスカを、レイを、そしてシンジを。
今はただ、それだけを考えていればいい筈なのに。
でも、気がつけばこうしてこんな所にいたりする。
本当、自分でも困ったものだと思う。
「此処が、そんなに好きかい?」
「…好きな訳じゃない」
「それなら、何故此処へ?」
当たり前のカヲルの疑問に、私は正直どう答えればいいのか迷った。
偽りなく答えた所で、どうしようもないような気がしたからだ。
でも、かといって此処で嘘を吐く、というのはもっと違うような気がする。
「此処、私が生まれた場所、かも知れないから」
そう言うと、カヲルはぴくりと眉を動かした。
勿論私はそれを見逃したりはしなかった。
でも、カヲルはすぐにいつもの微笑をたたえて、私に言う。
「そうだったんだ。ミチがいつもこの場所を複雑な顔で見つめているから、何かあると思ったら、そういう事か」
カヲルは感慨深げに廃墟を見上げる。
クリムゾンレッドの瞳にグレーが映り込む。
私は彼の横で、ぼんやりと彼の瞳に映り込んだ景色を眺めていた。
私の目から直接見る風景よりも、何故かカヲルの目を介して見る風景の方がずっと美しく、色鮮やかに見えてしまう。