選ばれし子供達
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全くの無意識の行動だった。
此処は、私にとってかけがえの無い場所。
此処は、私が生まれたと聞かされた場所。
でも真実かどうかを確かめ得る術は、もう何処にも無い。
母は、もう居ない。
そして病院も廃墟となり、人の姿は全く見えないからだ。
「私は…一体なんなの?」
ぽつりと呟いた言葉。
それは自分に対する問いかけ。
答えなんて、求めていない。
だって、私には一生かかったとしても分からない事だと思うから。
「ミチは、ミチだよ」
静寂を割いて、私の耳に声が届く。
耳に心地良いボーイソプラノ。
しつこい位に聞き飽きた、その声。
振り向かなくたって、その声の主が誰なのか分かる。
「何の用?」
「僕はミチの質問に答えただけさ。君は、答えが欲しかったんじゃないのかい?」
私の冷たい応えに対しても、声の主──渚カヲルは全くめげたような様子を見せなかった。
それどころか飄々とした態度で返してくる。