あなたの奏でる音色
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「君の音楽は、俺が守るから。もちろん茉麻が望むなら、だけど」
その言葉に、また涙が零れそうになる。
どうしてそんなに優しいの。
きっと私は君の足手まといになるのに。
いっそ切り捨てられた方が気が楽になるかも知れないのに。
「どうして……?」
「……君の音が、君が好きだからに決まっている」
その言葉を汲み取って、私は思わず椅子から立ち上がって蓮くんを抱き締めてしまった。
嬉しくて、嬉しくて。
私の中に湧き上がるこの気持ちを、どんな言葉で表せばよいのか分からなくて。
叶うなら、蓮くんの声でその言葉を聞きたかった。
でも、いいんだ。
その気持ちが、蓮くんの真実であるなら。
指先にぎゅっと力を込める。
ずっと、私の側にいて欲しくて。
私の裡の不安を少しでも抑え込んで欲しくて。
「……ありがとう」
小さく呟いた言葉に蓮くんは頷いた。
これから私には
きっと辛い事や
悲しい事が訪れるだろう
でも、私は挫けたりしない
諦めたりしない
君の側に居ること
音楽を奏でること
それが今の私の、全てだから──
《終》