右手に太刀を左手に君の手を
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「無礼なことと承知しております。しかし……今の千里様は、この腕を少しでも緩めてしまえば、すぐにでも居なくなってしまわれそうで……」
いつもに増してぎこちなくしか動いてくれない唇を必死に動かして言葉を紡ぐ。
何か言わなければ。
そうしなければ、彼女をこの場所に繋ぎ止めておけないような気がして、焦燥感に刈られていた。
そんな私の内心を知ってか知らずか、千里様は珍しく甘えるように私の肩口に顔を埋めた。
色素の薄い、柔らかい髪が頬に当たる。
自分のものとはあまりに違いすぎる感触に、思わずくすぐったさを覚える。
「……ありがとう、幸村。あなたはやっぱり優しいね」
「いえ……私など、千里様の優しさには遠く及びませぬ」
「ううん……幸村は優しい。私が言うんだから絶対、よ」
「勿体無いお言葉です」
千里様を抱き締めた体勢のままで会話を交わす。
何気ない会話に落ち着きを取り戻したのか、千里様は顔を上げていつもの笑顔を私に向けてくださった。
「幸村に内緒事してるの、嫌だったから。今まで黙っててごめんね」
