右手に太刀を左手に君の手を
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それから千里様は、お館様と出会った経緯や、この場所に留まることを決めた経緯を話してくださった。
淡々と。
まるで小さな子供に物語を読み聞かせるかのように。
私は暫くは目を伏せたままで、千里様の紡ぐ言葉に耳を傾けていた。
だがふと顔を上げた時、気付いてしまった。
自分の置かれた状況を冷静に話している千里様の瞳に、今にもこぼれ落ちてしまいそうな大粒の涙が溜まっていたこと。
それが流れ落ちてしまうのを必死に堪えながら、さも平然を装うまだ幾分幼さの残る少女に。
その事実に気付いた時、頭で考えるよりも先に身体が動いていた。
はっと我に返った時には、千里様の震える小さな身体を、自分の腕の中にすっぽりと収めてしまっていた。
自分よりも少し高い体温。
もう少し力を込めてしまったら、折れてしまうのではないかと怖くなってしまうような華奢な体躯。
ふわりと甘い香りが鼻腔をくすぐった。
「ゆ、幸村……?」
狼狽えたような声。
先程まで自分の境遇を淡々と述べていた抑揚のない声が、まるで嘘のようだ。
