右手に太刀を左手に君の手を
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障子の前に立ち、声を掛ける。
「千里様、遅くなり申し訳ございません、幸村でございます」
「……どうぞ」
少しの間があってから、部屋に入ることを許された。
そっと中へ入れば、千里様は奇抜な衣装に身を包んでいた。
見たこともない衣。
何より、普段は肌を出さない千里様が大胆にも御足を晒していた。
「千里様っ……!?何という格好をしていらっしゃるのですか?」
あまりに唐突なことに、情けなくも思わず声が裏返ってしまった。
しかし、千里様はそんなことを気にとめる様子もなく静かに笑った。
いつもの優しい笑みとは違った、儚げで今にも泣き出してしまいそうな笑みだった。
何故だろうか。
彼女の悲しそうな顔を見ると、胸が締め付けられて息が上手く出来なかった。
「幸村には話しておこうと思って。お館様しか知らない私の秘密を──」
ゆったりとした口調。
それでも千里様の言葉にはずっしりとした重みがあった。
私はごくり、と生唾を嚥下した。
只ならぬ空気が、辺りを支配していた。
それだけで、千里様がこれから話されることは重要なことだということがひしひしと伝わってきた。
