右手に太刀を左手に君の手を
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君は居なくなった
一瞬にして
僕の永遠になったんだ
それは決して消える事なく
色褪せる事もなく
ただ私の瞼の裏に焼き付いたまま──
《鮮やか過ぎる残像を残したまま》
誰よりも美しく。
誰よりも気高く。
誰よりも優しい。
少女は全ての人の憧れだった──
細い腕で太刀を振るい、血腥い戦場を駆け抜ける。
彼女は戦場という地獄に咲いた、一輪の可憐な花だった。
そんな彼女はもう何処にも居ない。
殺されたのだ。
たった一人の、愛する青年によって。
「幸村様……?」
少女が幸村の名を呼ぶ。
しかしその声は幸村が求めたものではない。
恋い焦がれるのは、この少女ではないのだ。
幸村の名を紡いだ少女は影。
幸村に仕えるくのいちだった。
「くのいち、か……どうした?」
生気のない幸村の声にくのいちは眉根を寄せ、表情を顰める。
自分の主のあまりの変わりように、くのいちも驚きを隠す事が出来なかった。