右手に太刀を左手に君の手を
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政宗は隻眼で私を見つめ、穏やかな表情を浮かべる。
私はこんなにも、苛立ちを内側に押さえ込むのに必死なのに。
「……千里、そなたは武士、であったな。わしと、同じ」
武人である故に、怒りしか表す事が出来ない。
姫君のように、涙を流し、嘆き悲しむ事が出来ない。
そんな方法、とうの昔に忘れてしまった。
刃を持ち、戦いに身を捧げると決めたその日から。
私は、修羅になると決めたんだ。
それなのに、政宗の自由さに憧れて。
彼の一途さに、優しさに恋をして。
別れを、こんなにも受け入れ難く思っている──
死に別れる訳じゃない。
ほんの少し立ち位置が変わるだけ。
そんな些細な事であるのに、引き裂かれるかのような痛みを伴う。
それほどに、私の中で政宗は大きな存在になっていた。
「失念しておった。誰よりも辛い思いをしているのは、他でもない、千里……そなた自身だったな……」