神と人の綾なす物語
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多くを望めば、何も手に入らないかも知れない。
大きすぎる希望の為に、また沢山の人が犠牲になるかも知れない。
そんなことは、耐えられない。
神が与えてくれぬのなら。
私は、自分の手で掴み取るまで──
「私はそうは思えない。誰かの悲しみがあるなら、私は戦わなくちゃ。そう、駆り立てられるの」
「……軍を、降るということか?」
途端に忍人の眼差しが厳しいものに変わる。
今にも破魂刀を抜刀しそうな剣幕だ。
そこまで、殺気立つものでもないだろうに──
でも、彼をこんな風な変えてしまったのは、きっと私だ。
自分の我儘から、彼の元を去ったから。
だから、彼は何かを失う事に酷く敏感だ。
私は曖昧な笑顔を貼り付けて、首を横に振る。
今から紡ぐ言葉で、忍人を納得させられるとは、到底思えなかったけれど。
「少なくとも、今は軍を降るつもりはない。途中で投げ出すのは、私の性に合わないし。ただ…橿原宮を取り戻した後は、まだどうするか、具体的には決めてない」
誰かに助力を請うか。
それとも一人で足掻いてみるか。
未来の事は、まだ分からない。
だって、目の前の事象が、どう転ぶか分からないから。