神と人の綾なす物語
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ほんの少し桃色に染まった頬が可愛らしい。
また顔を背けられてしまったけれど、そのちらりと見える表情から、那岐の言葉は嘘ではないと分かる。
「風早、きっと喜ぶね」
「うん。ね、千尋は風早に何をあげるの?」
「学校の図工の時間に写真立てを作ったから、それをあげるの」
「そっか、那岐は?」
「僕は何も」
何もあげないつもりらしい。
まぁ那岐の場合は一緒に居てくれるだけで、十分プレゼントになっているような気がするけど。
「そうだ、那岐。このチョコレートに風早の名前書いて?それで二人でこのケーキ作ったことにしよ?」
「別にいいよ。紗綾が一人で作ったんだし、風早は僕が何もあげなくても、何も言わないさ」
「確かに何も言わないでしょうね。でも那岐も手伝ってくれたって言ったら、風早、きっと喜ぶと思うよ」
そう言って、私は那岐に湯煎で溶かしておいたチョコペンを渡す。
さすがに那岐も観念したのか、右手に持って、板チョコのスペース配分を考えて平仮名で“かざはや”とさらりと書いた。
…正直、なんとなしに書いた那岐の“かざはや”の字は、私が頑張って書いたhappy birthdayの文字よりも、ずっとずっと上手だった。