神と人の綾なす物語
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いつまでもこの日々が続けばいい
永遠とはいかずとも
もう少し
もう少し
君の心が癒えるまで──
《時は、静かに》
静まり返った室内。
消された灯り。
部屋の住人は確かにいるのに、眠りに就いた部屋。
紗綾、“また”ですか。
何か嫌なことがあったらしい。
そんな時、いつも紗綾は塞ぎ込む。
部屋に閉じ籠もって、出てこなくなる。
紗綾の部屋の扉の前に立ちながら、俺は彼女に聞こえないように溜め息を漏らす。
紗綾をこの世界に導いたのは、間違いだったとでも言うのだろうか。
でも、彼女をあの世界に残していけば、彼女の命は確実に潰える。
紗綾自身でも制御出来ない、彼女の内に眠る巨大な力に呑み込まれて。
それだけは、何としても避けたかった──
この世界が安全、という訳では決してない。
時空の狭間を通って、逸れ荒魂が時折現れるから。
千尋は豊葦原での記憶を失っている為に、その存在には気付かない。
だが、ほぼ完全な形で記憶を有している紗綾は違う。
元々力の強い彼女のことだ。
気付かない訳がない。