神と人の綾なす物語
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全ては貴女の為。
世界なんて二の次だった。
でもその事実は闇に葬る。
如何なる手段を用いようとも、紗綾の耳に入れるような真似はしない。
その事実を知れば、紗綾はきっと嘆き悲しむから。
悲痛な表情を、見たくはないから。
「ふふ、私って幸せ者ね。柊に沢山愛されて」
「えぇ、貴女程に幸せな人はいないでしょうね」
紗綾は笑って、私の体にそっと腕を回す。
細い腕の感触に、自分が生きている事実を実感する。
冗談ではない。
貴女を手離さない為の策でもない。
私の中の真実。
貴女には伝わらずとも。
揺らぐことなきもの。
「師君の私に対する無茶な仕事振りに、流石の私も疲れました。紗綾、今日は息抜きにでも出掛けましょうか」
「うん、そうしよう」
そっと体を離すと、紗綾は自分の指を私のものに絡ませる。
離れてしまわないように、しっかりと。
そして私も指先に力を込める。
紗綾以上の想いを、その指先に込めて。
いつまでも傍にいて。
貴女の笑顔を守り続けよう。
運命が、二人を別つまで──
《終》