神と人の綾なす物語
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光を失くして
標を無くして
彼女の笑顔まで喪ったら
私はどうすればいい?
世界は色を
急速に失っていく──
《笑うのは君の役目》
「──ぎ、……柊?」
愛しい人の呼ぶ声に、はっと我に返る。
遠い日々の思い出に、いつの間にか囚われてしまっていた。
後悔ばかりしていたあの頃が、今はとても懐かしく感じる。
愛しい少女、紗綾が団栗眼でこちらを覗き込んでいる。
「どうしたの、ぼーっとして。考え事?」
「えぇ、少し昔のことを」
ニノ姫の為に力を尽くし、既定伝承に抗う道を模索した日々。
今目の前にいる少女を救いたいが為に、奔走し続けていた。
神に抗い。
運命に抗い。
定められた呪縛を解き放つ事を教えてくれたのは、他でもない紗綾だった。
彼女自身が切り開いたのだ。
新しい、既定伝承にない未来を。
だから私は此処にいる。
貴女の傍らで、こうして日々を過ごしている。
「戦った、日のこと?」
「えぇ。再び貴女に出逢えた日のことを」
私がそう呟くと、紗綾は少し悲しげに瞳を伏せた。
長い睫毛が、瞳を覆い隠す。