人ならざるものであっても
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今度はオレの方が目を見開かされる番だった。
敦盛と奏多が“デート”に行く日がくるなんて。
もちろん敦盛と真白の関係が“そう”なったことは知っている。
でもいつだって二人は今までと変わらない二人に見えた。
あまりの進展のなさに、こちらが少しもどかしく感じるほどに。
そこに至る経緯を根掘り葉掘り聞き出したい気持ちにかられるけれど、そこはぐっと我慢した。
せっかく他の誰でもなく自分を頼ってくれた敦盛の気持ちに快く応えてやりたかったから。
もしここで水をさすようなことを言えば、敦盛は今後二度とオレに相談を持ちかけてくれなくなるだろうし、もしそのことを奏多や望美が知るようなことがあれば、何を言われるかわかったものじゃない。
「見繕うのは別に構わないけど、別にお前がいつもどおりの服装で来たからって、奏多はそんなこと気にしないだろ?」
「それは分かっている、つもりだ。ヒノエのように言葉で素直に彼女に伝えられるならそれが一番いいのだが、私はどうにもそういうことが苦手だ。だからせめて少しでも彼女に二人での逢瀬が私にとって特別なのだと伝えたいのだ」
珍しく饒舌な敦盛に自然に口元が緩むのを感じた。
奏多との出会いが、関係性が少しずつ敦盛に変化をもたらしている。
何が最善なのかはわからない。
それでも大切な二人が幸せに、笑っていて欲しいと願わずにはいられない。
「お前の気持ちはよくわかった。任せときな、奏多が惚れ直すようなコーディネートにしてやるよ」
「ああ、よろしく頼む」
《彼に相談》
全く悔しくないと言えば嘘になる
それでも少しずつ前に進もうとする
こいつに対して
何かしてやりたくなるんだ
《終》