キミと私とあなたがいれば
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
私は笑った。
上手く笑えていなかったと思うけど。
二人は私を見ないようにしてくれていた。
私が見られるのを嫌がるだろうと思って。
「受け入れなくちゃいけないみたい」
「何を?」
知盛が耳元で尋ねてくる。
低くて、身体に響く声がとても心地いい。
私は目を閉じた。
唾を一度飲み込んだ。
言葉にしてしまったらもう引き返せない。
それは形を持ち、私たちの前にやってくるだろう。
だけど、きっと乗り越えなくちゃいけないんだろうと思いたい。
「いつかあるべき場所に還る時の事」
私が短く言い切ると、溜息が聞こえてきた。
……知盛だった。
「お前達は本当によく似ているな」
「知盛?」
知盛の言葉の意味が分からなくて、私は彼の名を呼んだ。
その声に、知盛は顔を上げて私を見下ろしてくる。
「誰が此処に残ると言った?」
知盛は口元を吊り上げながら言った。
私は驚きを隠しきれなかった。