それは泡沫
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奏多殿は思案していたようだったが、やがて私を真っ直ぐに見据えた。
応龍の神子の顔で。
私が時折恐ろしいとさえ感じてしまう、あの真っ直ぐな力強い瞳で。
「…その瞬間が訪れるまで、その時までは、一緒に“生きて”くれるんですね?」
問い掛けるように。
確かめるように。
奏多殿はそっと言葉を紡いだ。
その言葉に、私はしっかりと頷く。
私の意志に迷いは無いのだと証明する為に。
「分かりました。経正さんとの約束、きっと果たしてみせます。“みんな”が生きられる未来を、作ってみせます」
力強い言葉。
彼女は思いを口にするからこそ、幾度となくその願いを現実のものとしてきたのだろう。
そしてきっと、今回も。
「だから経正さん、力を貸して下さいね。私が挫けてしまいそうな時は、励まして下さいね」
「もちろん、そうするつもりだよ。言われずともね」
失われた筈の命を再び紡ぎ、私は君の前に立つ。
偽りの鼓動が停止するその日まで。
私は君の隣にあり続けよう。
君の剣となる為に
君の盾となる為に
私は生まれ変わったのだ
君が悲しい顔を浮かべても
君が苦しいと嘆いても
私はただ、君の側に在り続けるから──
《終》