キミと私とあなたがいれば
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同じ時空に“創め”から居る為に。
二度と離れない運命を描き出す為に。
自分が自分でさえなくなれば、何とかなると思っていた。
そんなはずあるわけにのに。
私は、いつまで経っても強くなれない。
私が望む、私が思い描く私になれない。
空回りばかりで、どんどん遠ざかっていく。
どうすればいいのか分からない。
「……ない…よ」
私は切れ切れに言葉を紡いだ。
震えてるのが嫌ってくらいに分かる。
「奏多……」
掠れた低い声が私の名前を呼んだ。
いつだって前に進む私を支えてくれた大好きな声。
前よりもずっと逞しくなった腕に、私は後ろから抱きすくめられた。
私も大事にその人の名を呼ぶ。
「……将臣」
「全く……還内府殿は時折ひどく大胆で困る、な」
「……知盛」
知盛は前から私を抱きしめてくれる。
肩口に乗せられた大好きな二人の頭の重みと。
頬に触れる髪の柔らかな感触に泣きたくなる。
どうして私はこんなにも恵まれているんだろう。
どうしてこんなにも幸せなんだろう。
自分は望むばかりで。
大切な人には何も返してあげられないのに。
傷つけてばかりだったのに。
「私……いつも遠くばかり、見てたんだ──」
私はぽつりぽつりと呟く。
自分の中で、たくさんの言葉の中から選びとって。
何が最善の言葉かを考える。
ちゃんと自分を抑え込んでおかないと、私の汚い部分がどんどん溢れてきちゃいそうな気がして怖かった。
綺麗なままの私はもう何処にも居ないけれど、でも将臣と知盛には知ってほしくなかったんだ。
私の心の澱みを見せたくなかった。
「見なくちゃいけなかったのは、目の前にある真実だったのに……いつもどうやってそれから逃げられるかばかり考えていたんだ」
だけど──
「今度ばかりは逃げられないみたい」