目に見えぬ絆を胸に
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それに身を挺して庇う必要も正直なかった。
術を使えば何とかなっていた、と思う。
でもそうしなかったのは、単なる私の我儘だ。
痛みが欲しい私の。
生きていると実感したい私の。
時空を跳躍する術を得た私は、希望と同時に絶望を手にした。
生きながらにして、死んでいる感覚。
常人に理解しろ、というのは到底無理な話で。
ああ、もしかしたらリズ先生なら理解してくれるかも知れないけど。
兎に角、自分の生に対する考え方が常軌を逸するようになってしまった訳だ。
命を粗末にする、という訳ではないけれど、十分それに等しいものはあるような気がする。
失われない痛みだけが、私が生きているというたった一つの揺るがぬ事実を証明してくれる。
逆に言うなれば、私は最早痛みを感じる事でしか生を感じる事が出来ない。
何とも厄介で面倒臭い存在になってしまったものだ。
自分でもつくづくそう思う。
「それでも貴女は傷付く事を厭わないのですね」
「そうだね。私が傷付く事で誰かが傷付かないのなら、私は喜んでこの身を差し出すよ」