髪を下ろしたあの人は
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まだ震えの収まらない奏多ちゃん頭を優しく、出来るだけゆっくりと撫でる。
安心させてあげられるように。
彼女を怯えさせているのは、他でもないオレ自身なのだ。
荼吉尼天を追い、奏多ちゃん達の世界にやってきて。
オレは今日みたいな雨の日に重傷を負った。
望美ちゃんの──いや、正確には荼吉尼天の手によって。
奏多ちゃんは望美ちゃんの様子がおかしいことに薄々気が付いていた。
それでも確証が持てなかったために、直接的な行動には移せなかった。
そのためにオレが怪我をしたのだと、彼女はそう思い込んでいる。
何度もそうではないのだと説明しているのに、変なところで九郎のように頑固な奏多ちゃんは決して自分の考えを譲ろうとはしなかった。
だから、オレはそんな奏多ちゃんそのままを受け入れることにした。
そうすることで、奏多ちゃんが納得するのなら。
ずるいけれど、オレはまた全ての決断を奏多ちゃんに委ねたんだ。
そんなオレの心境まで全て見抜いた上でも、奏多ちゃんはオレと一緒にいることを選んでくれた。