髪を下ろしたあの人は
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「大丈夫だよ、奏多ちゃん。オレはいつだって、オレだけはずっと、君の側にいるから」
細い身体を抱き寄せれば、何の抵抗も疑いもなく、君はオレに身を委ねる。
胸元に頬を擦り寄せて、幸せそうに微笑む。
ああ、その笑顔が、本物なら良かったのに。
君はもう、同じ表情しか繰り返さなくなった。
感情の欠如、とでもいうのだろうか。
君はずっとずっと、笑っているだけだ。
壊れてしまった人形のように。
ただ美しい笑みを浮かべ続けるだけ。
そしてまるで譫言のように繰り返すのだ。
大好き。
ずっと、側にいて。
君の願いは、ただそれだけ。
永遠に繰り返すのはきっと、君の願いが成就しないから。
君の願いを叶えるのは、オレじゃないという、紛れもない証拠。
それでも君がオレの腕を求めるのは、何故なんだろう。
彼の、代わりなんだろうか。
それすら、君はもう、忘れてしまったのかも知れないけれど。
「だから、景時さん大好き」
「ああ、オレも奏多ちゃんが大好きだよ。この世界の誰よりも」