髪を下ろしたあの人は
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ただ、其処に居ればいい
ただ、抱き締めてくれればいい
ただ、愛を囁いてくれればいい
この寂しさを
このやりきれなさを
この虚しさを
埋めてくれるのならば
誰だって構わないの──
《誰でも、いいから》
「景時さん、ずっと一緒にいて下さいね?」
猫撫で声で君は囁く。
砂糖菓子のような甘ったるい声で。
君はオレの感覚を、少しずつ麻痺させていく。
虚ろな君の瞳にオレは映らない。
いや、きっともう、誰も映ってはいないのだろう。
それでも君の声を聞けば。
君の眼球にオレの姿が映れば。
馬鹿げた錯覚を起こしてしまうんだ。
君は他の誰かじゃなく、他でもない、オレ自身を選んでくれたんだって。