理想と現実のはざまで
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神子だから、ではない。
望美さんや、朔殿では駄目なのだ。
奏多さんでなければ、僕の心は震えないんだ。
「君が来てくれれば、きっと皆さん喜びますよ。君の笑顔は、いつだって誰かを幸せな気持ちにしますから」
「そんな事ないですよ……」
謙遜する君は、本当に奥ゆかしい。
戦場の最前線で刃を振るう君と、同一人物だとは思えない。
僕はそっと奏多さんの肩に寄りかかる。
薄れゆく意識の中で、最期の瞬間まで君の熱を感じていたくて。
少しでも君に触れていたくて。
「どうしたんですか、弁慶さん?」
「ふふ、休憩、です。流石の僕も少し疲れました」
「お疲れ様でした。弁慶さんが背中を守っていてくれていると思うと安心して戦えました」
「可憐なる戦乙女にそう言っていただけるのは光栄ですね。ではこれはご褒美、という事で」
僕が笑って言えば、奏多さんも恥ずかしそうにはにかむ。
やっぱり君は笑顔が一番だ。
最後の君の表情が、笑顔で、本当に良かった──