理想と現実のはざまで
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それがどれほど嬉しかったか。
どれほど満たされた気持ちになったか。
君はきっと知らないのだろう。
この胸に宿る気持ちを、君に話すつもりはないから。
話せば君はそれを重荷に感じてしまうだろうから。
そんな事をぼんやりと考えていれば、漸く答えに行き着いたのか、奏多さんはぽん、と手を叩いた
その音に反応して、僕はいつの間にか俯いてしまっていた顔をあげ、君の澄んだ瞳を見つめる。
「いつか話した、弁慶さんと一緒に薬師の仕事がしたいです」
「…僕と一緒に、ですか…?」
「はい!!弁慶さんと一緒に、少しでもこの戦で傷付いた人達の役に立ちたいんです」
それくらいしか、私には出来ないから。
彼女は照れたようにそう告げる。
そんな事は全くない。
君がいたから、僕は此処まで来る事が出来た。
最後まで足掻いてみようと思った。
初めて、死にたくないと思えた──
僕にそう思わせたのは、他の誰でもなく君だ。
君にしか、出来なかった。