理想と現実のはざまで
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何かひとこと
あなたに伝えたくて
私は今日も待ってるの
ねぇ、早く戻ってきて──
《おやすみが言いたくて》
縁側に陣取ってかれこれどれくらい?
まだ此処に来た時は夕焼けが煌めいていた筈なんだけど。
でも今はもう世界は漆黒に包まれている。
私が此処にいるのは人を待っているから。
好きな、人を。
「まだ此処に居たのか…」
背後から聞こえた声にゆったりと振り返れば、そこには闇の中でも淡く輝く橙。
澄んだ瞳が真っ直ぐに私を見下ろしてくる。
呆れた眼差し。
でもそれには優しさが見え隠れしていて。
だからついつい彼のその優しさに甘えてしまう。
「…九郎さん。はい。帰ってくるの、待ってるんです」
「いつになるか分からんのだろう?」
「でも今日中には戻ります、って言ってたんで」
「何か伝えねばならぬ事でもあるのか?」