髪を下ろしたあの人は
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いつもは自分の為に
願いを書き綴ってきた
これからもずっと
自分のことを願うと思ってた
でも、今年は違う
私の願いはあなたの為に──
《願いはあなたの為に》
この世界に来て、初めての七夕。
いや、この季節はもう何度も迎えたけれど、こんな風に七夕飾りをするのは“初めて”なんだ。
いつも忙しくて、それどころじゃなかったから。
束の間の休息。
偶には季節の行事を楽しむのも悪くない。
縁側から中庭を見れば、望美と白龍が楽しそうに笹に飾りを結び付けている。
高くて届かない所は、道連れにされた譲が。
まんざらでもないみたいだから、少し安心する。
各々で願いを書き綴った短冊を結び付け、思い思いに寛いでいる。
私の手には筆と真っ白な短冊。
何を書けばいいのか、分からなくて。
昔のように、何も考えずに目先の願いをさらりと書けたならどれだけ良かったか。