あなたは私を知らなくても
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ファインダーから覗く世界は
きらきら輝いていて
でもきっとそれは
この世界に貴方が居るから──
《レンズ越しの世界》
「九郎さんっ!」
私が名前を呼べば、九郎さんはゆっくりと振り返る。
私はその瞬間を狙って、タイミング良くシャッターを切る。
一面に橙が広がって、私はついつい笑顔になる。
一方の振り返った九郎さんは、突然のフラッシュの光に対応出来ずに、目を瞬かせていた。
「一体今のはなんだ、奏多!?」
「カメラ、です」
「かめら?」
私は満面の笑みと共に、持っていた一眼レフのカメラをずいっと差し出す。
お父さんのお下がりで少し年季は入っているけれど、私には大切なものだ。
このカメラを持って、家族で色んな所へ出掛けた。
海も。
山も。
川も。
流行りのレジャーランドだって。