あなたは私を知らなくても
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私にとって今年の冬は
とても特別な冬
何度も何度も
この季節を通り過ぎてきたけれど
今年は貴方が隣にいてくれる
それだけで世界は変わるんだ──
《そのポケットへ》
見上げればはらはらと舞い降りる純白の結晶。
唇を薄く開けば空へ登る白い息。
ああ、またこの季節が来た。
毎年巡る四季の中で、一番大好きなこの季節が。
ぼんやりとそんな事を考える。
今年初めての雪。
雪なんてもう何度も見てきたけど、やっぱりその年一番の雪は何度冬が来ても新鮮なもので。
ついつい嬉しくなってしまうんだ。
ベランダから見上げる空は快晴で。
それでも私達の下へと雪の精は舞い降りる。
「何だかへんな感じ」
ぽつり、と呟けばすぐ隣から声が返ってくる。
独り言のつもり、だったんだけどわざわざ律儀に返答してくれる所が何とも彼らしい。