あなたは私を知らなくても
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「…分かっています。でも、九郎さんのせいじゃありません。私…勿論望美も譲も、自分で選んでこの戦いに参加したんですから」
「しかし……!!」
「異世界から来たとは言っても、私達もう子供じゃありません。自分の進む道くらい、自分で決められますから」
それ以上の言葉は許さない。
その気持ちを込めた言の葉を紡ぐ。
いつの間にかマスターしていた嘘の笑顔を顔に貼り付けて。
そうすれば、九郎さんが何も言えなくなる事を、私は知っているから。
「…本当に、すまない」
「いいんですってば。九郎さんも怪我がないみたいで何よりです」
まるで他人事のように話す。
でも、実際は違う。
九郎さんは、みんなは。
ただ、それを知らないだけ。
みんなと共に戦いながら、みんなに降りかかる火の粉を、人知れず払いのける。
気付かれてはいけない。
私の剣技が、まだこの世界に来て間もない人間のものではないという事を。
きっとリズ先生は気付いているだろう。
彼もまた、私と同じ。
時空を越える存在だから。