幾千の繋がらぬ運命を越えて
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「真実を知って、お前はどうするつもりだ……?」
「……どうしたいのかは……まだ、分からない。でも……知らないままでいるのだけはもう嫌なんだ。真実がどれだけ哀しくても醜くても、私はそれを受け止めたい……ううん、受け止めなくちゃいけないんだ」
「……受け止めなければならないだけの理由がお前にはある、と?」
「そう。私はそれだけの対価でも足りないこと、してるから」
「源氏の神子殿は本当に勇ましい事で……」
勇ましいわけなんかじゃ決してない。
私の望むままに運命を上書きして。
初めの運命なら命を落とさずにすんだあなたを、維盛達を私は殺してきた。
私の死なない運命、誰も悲しまない未来の為に。
上書いた為に新たに生まれた悲劇から、目を逸らして。
私は誰よりも最低な女だ。
ヒトとして、生きとし生けるものとして。
願いを叶える為に、私の命を差し出すくらいなら安いものかも知れない、といつの頃からか思うようになった。
ふと、私の瞼の上に冷たい手が乗せられる。
目の前の視界が遮られて真っ暗になる。
あなたの手は、そういえばいつも冷たかった。
心の温かい人の証。
私の高い体温とは大違い。