あなたは私を知らなくても
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振り返った先に居たのは、源氏の総大将九郎さん。
私の大切な人。
この人と共に生きる未来の為に、私は時空を越えた。
人である事を、捨てた。
貴方は何も知らないけれど。
私はもうとっくに引き返せない所まできている。
それでも、貴方は。
こんな私をもう一度好きになってくれるだろうか──
「心配かけてすみません。でも…みんなの前で上手く笑える自信がなくて……」
紡いだ言葉は真実だ。
でも同時に偽りでもある。
笑えないのは、本当。
でも、それは初陣の後で辛いからじゃない。
剥き出しの闘志を、殺意を抑え込むだけで必死だから。
今こうして九郎さんの前に対峙していても、正直衝動を抑えるのが辛い。
自分の中に眠る阿修羅を、呼び覚ましてしまいそうで──
怖い。
それが一番正しい感情のような気がする。
「すまない…本当にお前達だけは、戦に出したくはなかったんだが……」
頭(コウベ)を垂れ、肩を落とす九郎さんの姿に、私は首を振る。
貴方は何も悪くない。
選んだのは、私なんだから。