髪を下ろしたあの人は
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翡翠の透き通った綺麗な瞳が、私を見下ろしている。
私の次の言葉を期待しながら。
私は小さく深呼吸してから、景時さんを見つめ返す。
「だって、私は毎日好きな人に逢えるから」
「…奏多ちゃん……」
私の大胆発言に、景時さんは顔を真っ赤に染める。
熊野で将臣とヒノエが捕まえた赤い蛸といい勝負をしているかも知れない。
私も恥ずかしい。
普段あまり自分の気持ちを、口にしたりはしないから。
でも今日ははっきり言いたかった。
今日は一年で特別な日だから。
だから私も特別なことをしてみたって悪くない。
「私はきっと織り姫と彦星みたいに、一年に一度しか逢えないなんて、絶対に我慢出来ない。一分だって一秒だって、叶うのなら景時さんの側にいたい。戦が始まって、逢えない日が多くなるけど、でもそれでも私は戦いを早く終わらせることの出来る応龍の神子で良かった」
私はゆっくりと一語一語を噛み締めるように紡いだ。
ちゃんと景時さんに伝わって欲しかったから。
「……」
神妙な顔付きで私を見下ろしている景時さん。
その表情に、何故か私の方が泣きたくなって、更に言葉を続けた。
「正直言うと、白龍の神子が良かったなぁ、なんて思ってるんですけどね。そうしたら、景時さんは私の八葉で、いつでも私を守ってくれたのに」