髪を下ろしたあの人は
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「ちゃんと逢えたかな?」
「ん?」
「織り姫と彦星、ちゃんと景時さんが作った天の川を渡って逢えてるかな、って」
私は泣きそうなくらいに綺麗な天の川から目を離すことなく言った。
話をする時に人の目を見ないなどかなりの失礼に値するが、あまりにも惚けた表情をしている私を、景時さんが咎めることはなかった。
景時さんは、私のすぐ横で同じように天の川を見つめたままで言う。
自分の力で作り出したあの川を、景時さんは一体どんな気持ちで見ているのだろう。
「大丈夫、きっと逢えてるよ。年に一度しか逢えない、本当に大切な人なんだから」
「本当にそう思いますか?」
「ああ、もちろんだよ」
景時さんは胸を張って得意気に笑う。
どこからその自信が湧いてくるのかは知らないけれど、とにかく自信満々だった。
いつもなら自信なさげに笑う景時さんがここまで言い切るのだから、きっと大丈夫なんだろう。
根拠はないけれど、そう信じたい。
「私、応龍の神子で良かった!」
私がいきなり大声で言い出すものだから、近くにいた景時さんは、本当に驚いていた。
見開かれた瞳が、その何よりの証拠だ。
「急にどうしたんだい、奏多ちゃん?」